2019年、デジタル広告を取り巻く環境が激変しています。

昨年も、これまでの常識を覆すような様々な変化がありました。例えば、月間ユーザー数が2,900万人を突破したInstagramにおいて、急速に「ストーリーズ」機能のユーザーへの普及が進むなど、メディアや、その中にいるユーザー、そしてクリエイティブフォーマットは多様化の一途を辿っています。

そのような中で、もはや今までの枠にとらわれた広告や、ありきたりな言葉やデザインでは消費者の心を動かすことが難しくなってきています。「どうすれば未来の顧客の心に響く広告を展開できるのか」-私たちは今、デジタル広告における「クリエイティブ」の常識そのものを見直し、新たなステージに上がることが求められているのです。

今回は、デジタル広告の3つの大きなトレンドから、2019年、これからの私たちが、いかに「クリエイティブ」に向き合うべきか、について考えてみたいと思います。

トレンド1.メディアの多様化:Instagram広告とLINE広告が顕著に拡大

デジタル広告における「メディアの多様化」がますます進んでいます。昨年は、特に、Instagram広告とLINE広告が顕著に伸びた1年でした。

Instagramは2018年9月時点で、日本国内のMAU(Monthly Active User)が2,900万人を超えたことを発表。また、従来は「若い女性」が中心のメディアという印象でしたが、すでに男性のユーザーも全体の43%を占めており、また女性50代や女性40代の利用も伸びる等、幅広くリーチできるメディアとして急成長しました。

さらに、全体の8割のユーザーが企業のアカウントをフォローし、7割のユーザーが「Instagramを見て何らかの行動を起こしたことがある」とのことで、Instagramはビジネスに高い効果をもたらす可能性があるメディアとして定着しつつあります。
(引用:https://netshop.impress.co.jp/node/6001

これに伴い、企業のInstagram広告の利用も急増しました。Instagram側も、従来の正方形に加え、長方形や縦型、カルーセル、ストーリーズ広告など様々な形式を用意し、広告主は、自分たちにあった形式を用いて、ブランドをより自由に表現できるようになりました。

Instagram広告 フォーマット一覧はこちら
https://www.facebook.com/business/help/877053729032543?helpref=page_content

また、LINE広告にも大きな変化がありました。2018年8月に、LINEの運用型広告配信プラットフォーム「LINE Ads Platform(LAP)」が大幅刷新。新LAPでは、ダイレクトレスポンス向け広告メニューの追加、友達の類似拡張機能などターゲティング幅の拡張、自動での最適化機能など、より様々な企業が利用しやすい環境が整えられました。2018年7月末時点で、6,000以上の企業・ブランドにより利用されており、また2018年Q3のLAPインプレッション数は約232億回にも上っているそうです。

LINE社によるプレスリリース
LINE Ads Platformを大幅刷新:https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2018/2338
ダイナミックリターゲティング広告について:https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2018/2505

弊社アライドアーキテクツでも、このInstagram、LINE広告の取り扱い高が急拡大し、良いパフォーマンスに繋がる実績が多数生まれ、2018年はこの2つのメディアの力強さを実感しました。

アライドアーキテクツ「LINE Ads Platform」部門において、「Sales Partner」として「Bronze」に認定
https://www.aainc.co.jp/news-release/2018/01720.html

トレンド2.デジタル動画広告市場が引き続き拡大:ストーリーズ広告も登場

「デジタル動画広告」が、引き続き急拡大しています。

サイバーエージェント社の調査(https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=22540)によると、2018年の動画広告市場規模は1843億円(昨年対比134%)、モバイル動画広告需要は1563億円(昨年対比143%)となり、動画広告需要全体の85%を占める見込みとなりました。同調査では、今後もスマートフォン動画広告が動画広告需要全体の成長をけん引し、2024年には4957億円に達すると予想しています。

SNSにおいても、ユーザーがより「動画」を視聴する習慣が根付いてきています。

Facebookでは、1日の動画再生数は80億回に達し、Instagramでも1年前と比較し動画の視聴時間が80%も増加、またユーザーによる動画の投稿量も4倍に増加しているそうです。(弊社が2018年9月に開催したセミナーのFacebook社講演パートより引用)

また、特に顕著なのが、従来型の「デジタル向けにしっかり作りこまれた動画」とはまったく異なる、Instagramのストーリーズに代表される「ユーザーの日常目線による動画」の拡大です。Instagramにおいては、「もはやストーリーズしか見ない」というユーザーも増えつつあり、かつ「ユーザーが触れているストーリーズの1/3は企業アカウントによるもの」とのことで、ビジネス活用にも大いに期待が集まっています。

Instagramストーリーズ広告、Facebookストーリーズ広告等、各メディアがこの流れに対応する様々な動画広告フォーマットを用意し始めており、2019年はさらにこの流れが強まっていくと考えられます。

他には、2018年にリリースされた、長尺の縦長動画配信ができる「IGTV」も要注目です。今後広告展開も可能な機能としてリリースされる可能性もあります。

また、2018年に10代の若者を中心に急速に普及したTikTokは、ユーザー数が急拡大しているだけでなく、非常にアクティブ率が高いことでも知られています。日本市場において運用型の広告も開始しており、2019年により本格的な利用が進んでいくと考えられます。

トレンド3.クリエイティブの幅の拡大:UGCを活用した広告で多数の成功事例

2018年は、UGC(※)を広告のクリエイティブや、広告遷移先のウェブサイトのデザインに活用し、効果測定結果に基づいて「勝ちクリエイティブ」を見つけ、スピーディーに横展開を行ったことで、これらのクリエイティブにおける課題解決に貢献、大きな成果につながった事例が多数生まれました。

※ UGC(User Generated Contents)とは企業ではなく、 一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことを言います。 最近はInstagramなどSNSに投稿された写真や動画などが UGCとして注目されています。

企業によって創られたデザインではなく、顧客自身の発信するコンテンツをクリエイティブにしてしまう、という新たな取り組みです。「顧客に響くクリエイティブのアイデア」は、「顧客自身の発信するコンテンツ」に眠っている、という新しい考え方に基づいています。

このような、今までのクリエイティブの既成概念を覆す成功事例が多数生まれたことも、「今までの枠には収まりきらない」現在のトレンドを表しています。

・BULK HOMME(バルクオム):クリエイティブにUGCを活用し、1年でSNS経由獲得件数は10倍・CPAは3分の1に
https://www.aainc.co.jp/service/letro/article/2018/bulkhomme.html
・動画UGCをクリエイティブに活用し広告配信!CVR1.6倍、CPA41.4%削減!:Primo Ordine
https://www.aainc.co.jp/service/letro/article/2018/primo_ordine.html
・LPのデザインにUGCを活用し、CVR 145%改善:健康コーポレーション「どろあわわ」
https://www.aainc.co.jp/service/letro/article/2018/doroawawa01.html
その他事例一覧はこちら
https://www.aainc.co.jp/service/letro/article/
(これらの事例のUGCの収集・活用・効果測定にはクリエイティブプラットフォーム「Letro」を活用)

まとめ:これからのデジタル広告に必要なことー改めて「クリエイティブ」の重要性を考える

メディアのさらなる多様化、デジタル動画の拡大、InstagramストーリーズやIGTV、TikTokなどに代表される「SNS上のコンテンツの変化」、UGC活用クリエイティブ等「従来とは異なるクリエイティブによる成功事例」の続出など、デジタル広告を取り巻く環境は大きく変化しています。

そのような中で成功していくために必要なのは、改めて「クリエイティブの重要性」を認識し、デジタル広告における「クリエイティブ」の常識そのものを見直すことです。

ターゲティングや運用調整などももちろん重要な要素であることに変わりありません。一方で、メディア側の機械学習機能がより高度化していることから、それだけでは差をつけにくくなりつつあります。

重要なのは、デジタル広告そのものの「テクニック」ではありません。いかにその先にいる顧客を理解できるかということ、そしてテキスト、バナーデザイン、ウェブサイト等全ての顧客接点において、顧客の心に響く「クリエイティブ」を展開できるか、なのです。

そのために、私たちはより多くの時間を「本来のマーケティング活動」に使っていくべきでしょう。顧客が求めていることは何なのか、どんな情報が顧客にとって常に有益な情報であるのかなどの、「コミュニケーション設計」により時間を投資していくのです。

「ツール」や「AI」の活用も、「本来のマーケティング活動」に時間を使うための、重要なポイントとなります。

今、私たちは、デザイン制作などの「物理的なクリエイティブ」の用意に多くの時間をかけすぎています。人間が想像力を働かせ、汗をかいて「物理的なクリエイティブ」を創り続けるだけではなく、システムを用いて科学的に、効率的に、「勝ちパターンのクリエイティブを"科学"」していくことで、スピーディーに横展開をしていくことが必要です。

2019年のブログでは、「顧客に響くクリエイティブを"科学"する手法をいかに発展させるか」というテーマに向き合い、その解決の糸口となる手法やノウハウ、また、広告主の皆さまがどのような課題を持ち、どのような工夫をしているかの生の声等をお届けしていきたいと思います。