Engineer Recruiting 2026
まだ誰も正解を持っていない。だから面白い。
アライドアーキテクツ株式会社 プロダクトAX統括部長 兼 AX推進室室長
石川裕弥

エンジニアが、技術だけでなく経営を動かす——プロダクトAX統括部長 兼 AX推進室室長・石川裕弥は、AI活用を全社で推進しながら、技術の未来を経営の場で直接語る人物だ。大手SIer系の受託開発から転職し、自分たちが価値を信じるものを、自分たちの手で世に出せる開発環境に惹かれてこの会社に飛び込んで10年以上が経つ。自社プロダクト、AI活用、組織づくり、キャリア設計——誰も正解を持っていない問いに、エンジニアとしてどう向き合っているのか。包み隠さず語ってもらった。
技術とビジネスの両方を束ねる立場
── 現在の役職と担当業務を教えてください。
プロダクトAX統括部という部署の統括部長をしています。「プロダクト」というのは、会社が展開してきたSaaSプロダクト(モニプラ、Letro、echoesなど)の開発・運用保守と、現在積極開発中のデータ分析基盤「Kaname.ax®」を指しています。「AX」はAI Transformationの略で、社内外の業務をAIで変革していく、という意味が込められています。プロダクトAX統括部の部署の中にはエンジニアとBPO(Business Process Outsourcing)のメンバーの2職種がいて、その両方を統括しています。エンジニアはプロダクト開発とAI技術の導入を担い、BPOメンバーはAIを活用して、社内の生産性を高める役割を担っています。
同時に、AX推進室という社内のAXを牽引するための会社全体の特命チームの室長も兼任しており、社内AI基盤の構築、最先端のAI技術の調査、導入を行っています。AIによる業務創出量を全社の目標として設定していて、その推進責任を持っています。
一般的にはCTOと呼ばれる人たちとほぼ同じような役割です。社内のエンジニアの代表としてエンジニアや技術の未来を描いて、会社全体の技術戦略の設計と実行の責任を持ち、事業経営の一角を担うのが、今の立場です。
「自分たちが作りたいと思ったものを、自分たちの手で作れる場所へ」
── 入社前はどんなキャリアを歩まれていましたか?
前職は大手SIer系のパートナーとして開発をするソフトウェアハウスで、新卒から5年間ほど受託開発に従事していました。保険や製造業界向けのシステム開発が中心で、顧客の要望に応じてシステムを作る仕事でした。技術的に学べることは多かったんですが、「自分が作りたいと思ったものを、自分の意思でプロダクトとして世の中に出したい」という気持ちが強くなっていって、転職を決意しました。
── アライドアーキテクツを選んだ決め手は何でしたか?
事業の先進性とベンチャー企業ならではのカルチャーです。アライドアーキテクツのことは、転職活動の中で自ら調べて見つけました。やっていることが面白そうで、ホームページなどを見て、その先進性に感銘を受けました。当時はちょうどFacebookが日本で少しずつ普及しはじめた頃で、SNSが普及しきった現代とは違って、世の中の全員が、使い方や存在意義など何から何まで手探りの状態でした。そんな中、アライドアーキテクツはこのSNSが確実に世の中のメインストリームになると目をつけ、既にFacebookアプリ開発で収益化に成功していたんです。
受託開発で、比較的堅実なシステムを作ってきた自分にとって、この先進性はとても魅力的で、これまでとは全く異なる世界として輝いて見えました。私が思い描いた「自分が作りたいと思ったものを、自分の意思でプロダクトとして世の中に出す」をまさに体現していました。
カルチャーについても、エンジニアブログを隅から隅まで読んで、エンジニアの人たちの技術に対する向き合い方、最新の技術を使って面白いものを世の中に出すぞ、というモメンタムを感じました。入社する前から「ここしかない!」と決めていました。

「ウェルカム変革」の姿勢で、働く制度も採用も自分で変えた
── 入社当時の印象的なエピソードはありますか?
上場前の当時は、まだ制度や働き方も発展途上で、今の時代では問題となるかも、ということが多々ありました。ただ、同時に「気になることがあれば、自分たちで動いて変える」という姿勢が強烈に歓迎されるカルチャーがあったので、入社当時の私にも変えられる部分が多かったです。
そのカルチャーは今も変わらずで、私がメンバーだった時でも、エンジニアのリモートワークの制度を整えたり、支給されるPCやモニターのスペックを上げるなど開発環境の整備をしたりしました。他にも、会社の人たち同士が仲良くなれるように部活動制度を整えたり、何かの目標をもって働けるといいなぁと思って成果を表彰するMVPアワードを企画したり、本来の業務範囲を超えて、気づいたら色々やっていました。アライドアーキテクツの魅力を伝えるために、採用のホームページを自分で作り直したり、メンバーへのインタビューを企画して、記事を作ったこともあります。
── そこまで動ける理由は、会社の文化にあるのでしょうか?
もちろん土台は会社のカルチャーです。過去には「失敗する挑戦者は尊い」というバリューがあり、今でも「ウェルカム変革」というバリューにその想いは引き継がれていて、問題を見つけて変えようとすることを是とする風土があります。
個人的な理由も大きいです。一つは、自分が納得できていない状態で仕事をしたくない、という価値観です。自分たちの仕事はクリエイティブな仕事なので、本人が納得していない環境からは良いものは生まれないと思っています。もう一つは、一緒に働く人たちに豊かであってほしい、という気持ちです。この2つの想いが「ウェルカム変革」という会社の文化とうまく噛み合っていたので、気づいたら自然と動いていた、という感じです。あとは単純に、なんだかんだでこの会社のことが好きなんだと思います。
誰も解いていない課題を、技術で解きに行く
── AI×マーケティングという領域をエンジニア視点から見ると、どんな面白さがありますか?
マーケティングには、4P分析とか3C分析をはじめとした、体系的に整理されたフレームワークがたくさんあります。ただ、実際に商品開発やプロモーションを担っている人たちが全員そうしたフレームワークを使いこなせているかというと、必ずしもそうではありません。「専門家がいないと適切なマーケティングの設計・実行ができない」という状態になっていることが少なくありません。
私たちは、そこに対してマーケティングのワークフローをAIで定義して、誰でも一流のマーケターと同じプロセスで商品開発やプロモーションができる環境を作る、ということに挑戦しています。これは非常に面白い取り組みで、企業の商品開発力をAIの力で底上げできます。これまで技術面の課題から不可能だった戦略の設計や履行の部分にAIを活用したシステム開発を通じて踏み込んでいけることに、やりがいを感じています。

── マーケティングドメインの開発と、一般的な開発の違いはありますか?
一般的なシステム開発は、「この業務目的を満たすシステムを作る」という感じで、ゴールが比較的明確なことも多いです。でもマーケティングドメインの開発はそれとは少し違っています。課題が非構造的で、抽象的なことが多いんです。データ分析の結果を使ってクリエイティブの品質を上げるとか、こういう問いは、定型の答えがないし、アプローチも無数にあります。
誰も解いたことのない課題に、いろんな技術を組み合わせながら解きに行くプロセスが、今の仕事の一番の醍醐味だと感じています。「まだ正解がない」という状態は、見方によっては不安を覚えるかもしれませんが、私にとっては一番面白いところです。
── AIの登場で、エンジニアとしての感覚は変わりましたか?
完全に変わりましたね。私たちの働き方を根本から変えるパラダイム・シフトなので、とにかくAIに触れて日々理解を深め、業務へ落とし込んでいます。これからのエンジニアはAIネイティブエンジニア、AIアーキテクト、という職種が中心になっていくと思います。AIの能力を最大限発揮させられる環境の構築、ハーネスの設計、開発ワークフローへのAI組み込みなど、AIと人間のコラボレーション能力の高さが価値になると考えています。
プロダクト開発者、PMとしての視点でも、良くなったところは多くあります。例えばプロダクトのUIやUXの気になるポイントなどもすぐに改良できますし、これから開発するシステムのプロトタイプもすぐ作れるので、アイデアを即座に形にできるスピード感があります。
一方で、エンジニアの組織の長としては正直複雑な気持ちもあります。エンジニアが長い時間をかけて習得してきた技術、とりわけプログラミング能力そのものを有していることが大きな価値とならなくなってきているため、少なくないエンジニアのアイデンティティや、将来への不安に影を落とす部分もあります。このAI時代の過渡期においてエンジニアがどうあるべきか、進むべき道を指し示すのも私の重要な役割だと感じています。
AIの力を最大限引き出すために、チームでやっていること
── 今のチームの技術文化について教えてください。
プロダクトも開発スタイルも、AIが前提にあります。SaaSプロダクトの開発・運用を担いながら、並行して自分たち自身の開発生産性もAIで上げていますし、新規プロダクトの「Kaname.ax®」では、特許出願済みのCEP自動抽出の仕組みを、AIをフル活用して作っています。プロダクトの中身にも、開発の進め方にも、AIが染み込んでいるチームです。
── 新しい技術を試したり、メンバー同士で学び合う文化はありますか?。
新しい技術を試すハードルは、意識的に下げています。基本スタンスは「触ってみて、良ければ入れる」で、承認プロセスで止まることはほとんどありません。最近では、月に一回、全エンジニアが集まる会議でAIを使って開発サイクルを改善した話を共有したり、Slackで日々ノウハウをシェアし合っています。
── 実際の開発現場では、AIをどう使っていますか?
コーディング環境にはClaude Codeを標準導入していて、全員が日常的にAIをコーディングパートナーとして使っています。コードを手で書くことは、もうほとんどありません。AIが書きやすく、処理しやすいかという観点も、言語選定の基準に入ってきています。
一方で、AIによるコーディングで中身が完全にブラックボックス化するのは避けたいので、コードレビューはAIによる一次チェックと人間の判断を組み合わせてバランスを取っています。

マーケティングへの興味より、「世の中をより良くしたい」という気持ちを持ってきてほしい
── アライドアーキテクツへ応募を検討している方に、「こういう人はぜひ来てほしい」というメッセージをお願いします。
マーケティングそのものの知識は、それほど重要ではありません。それより大事なのは、これから関わることになるドメインに、興味を持てるかどうかです。エンジニア視点で言えば、「技術を通じて商品やサービスをもっと良くしたい」という気持ちさえあれば十分です。そういう人なら、この仕事は間違いなく面白いと思います。
もう一つ伝えたいのは、AI時代のキャリアの話です。うちは組織自体がAIを前提に設計されていて、評価制度やキャリアプランも「AI時代のエンジニアはどうあるべきか」を本気で考えながら作っています。この時代にどうキャリアを築くか、真剣に考えたい人には、間違いなく良い環境です。
AI時代のエンジニア像は、まだ誰も答えを持っていません。だからこそ、一緒にその答えを作っていきましょう。変化を恐れず前に進める人を、私たちは待っています。

プロフィール
石川 裕弥(いしかわ ゆうや)
アライドアーキテクツ株式会社 プロダクトAX統括部長 兼 AX推進室室長
新卒で大手SIer系のソフトウェアハウスに入社。受託開発に5年間従事したのち、自社プロダクト開発への強い関心からアライドアーキテクツに転職。以来、プロダクト開発・組織整備・採用ブランディングなど多岐にわたる自発的な改善を重ねながらキャリアを積む。現在はプロダクトX統括部長 兼 AX推進室室長として、B2B SaaSプロダクトの開発・運用とデータ分析基盤「Kaname.ax」新規開発を統括。エンジニアリング代表として技術戦略と全社AX(AI Transformation)推進の責任を担う。
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